最初から使っているもの、いつも使っているものは、あまりにも当たり前になりすぎている。
本当はそれらがあるおかげで便利になっていることすら忘れてしまう。
【身近な家電の場合】
例えば、冷蔵庫。
冷蔵庫は、当たり前のように家にあり、当たり前のように食品や飲料を冷やしてくれている。
もし冷蔵庫が無かったらどうだろう?
・ぬるい飲料を我慢して飲む。
・生鮮食品は買ってきてもすぐに消費しなくてはならない。
・買い置きができないので、必要な分だけをその都度買いに行かなくてはいけない。
冷蔵庫が無くても生きていくことはできるだろう。でも考えただけでも不便でしかたない。
便利な道具というのは、何事もなく使用している間はあまり便利だと感じないが、無くなって初めてその存在のありがたさに気がつくのかもしれない。
普通は冷蔵庫を自分で作ることはできないし、もし自分で作れたとしても市販されている金額よりもはるかに上回ってしまうだろうし、製作時間が相当必要だろう。
そんな便利な冷蔵庫を手に入れやすくしてくれた人たちへ感謝の気持ちすら沸き起こる。
一時的な出費としては決して簡単に購入できるものではないが、冷蔵庫のない不便さを思えば、やはりその出費はやむをえないだろう。
便利を手に入れるには、それなりの費用がかかるが、様々な負担を取り除いてくれるのも事実だ。
【システムの場合】
それはシステムでも同じことがいえる。
毎日使っているシステムやツールはすっかり当たり前になってしまっているだろう。
・そのシステムやツールを導入する前はどうだったのだろう?
・もしそのシステムやツールがなかったらどうなってしまうのだろう?
などと考えてみれば、当たり前の作業がスムーズに出来ることがありがたく思うかもしれない。
【システム作り】
システム開発に携わっていると、さまざまな作業が便利になっていく過程や瞬間を味わうことができる。
たった一つのボタンを押すことで、さまざまな作業が一瞬にして行われることの凄さに感動すら覚える。
その過程や瞬間を知らない人にとっては、単なる一つのボタンだろう。
ボタンを押せば、何かが行われるのは当たり前だと思うだろう。
当たり前のように動くボタンを実現するには、さまざまな作業を一つ一つピックアップしていく必要がある。
たとえささいなこと、人間にとっては無意識なことであったとしても、プログラム作りにとっては必要な情報だ。
プログラムに記述していないことは、いくらどうやっても動作するわけがないのだ。
そのために各作業の洗い出しをする必要がある。
システム作りに関わると、普段何気にやっている作業がさまざまな行程や選択肢を経て行われていることがあきらかになってくる。
オーダーメイドなどでシステムを依頼するときは、見た目だけのイメージだけではなく、結局何がしたいのか?どういった作業工程をシステム化したいのか?などを具体的に伝えることがより最適なシステム作りへの近道になると思われる。
システムが出来上がるまでは時間と費用がかかるけれど、その後の便利へとつなげていくためには必要な投資なのだと思う。
執筆担当:CGIKON 佐々木
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